
下町の食堂を舞台に、人と料理が交わる日常を描いたグルメ小説。エプロン姿の女性と勤め人らしき男性、湯気の立つ揚げ出し豆腐の定食を中心に据えたイラストで、登場人物の表情と一汁三菜の配膳が穏やかな食卓の時間を映し出す。タイトルは縦組みの白抜き文字を朱色の枠で囲み、店ののれんを思わせる和の意匠でまとめられている。下部の帯は鮮やかな朱に黄の手書き風書体を重ね、「ほかほか定食」の温度感を視覚化。柔らかな彩色と賑やかな帯デザインが、物語の親しみやすさをそのまま装丁の温もりへと翻訳している。
著溝口智子
マイナビ出版 / 2017年
文学・評論