
クリスマスを待つ街の、ささやかな時間を集めた絵本。木に飾りをつける親子、買い物袋を提げた人、犬を連れた子ども、白いひげのサンタ姿——同じ広場に居合わせた人々の小さな所作が、一枚の俯瞰のなかに並置される。生成りの地に、もみの緑と上着の赤、黄や紫の点描のような人影が散り、雪が積もる前の街路の気配を立ち上げる。題字は手描きの太い仮名で下半分にどっしりと据えられ、軽やかな線画と重みのある文字が、待つ時間の浮き立ちと静けさを同居させている。
著新曜社編集部
装丁祖父江慎+鯉沼恵一
新曜社 / 2018年
文学・評論