
最終選考に残った六人の就活生が密室で互いを告発しあう、新世代の青春ミステリ。リクルートスーツに身を包んだ若者たちのイラストが灰色の背景に浮かび、その上に赤い太明朝のタイトルが大きく重なる。文字は人物と前後に交差するように配置され、整然としたはずの就職活動の場に走る亀裂を可視化している。黒い帯に白抜きで刻まれた「とんでもないクズだった」の一行が、清潔な制服の表層と内側に潜む悪意のコントラストを引き受け、装丁全体を一つの心理戦の舞台に変えている。

著吉月生
装丁鈴木亨
装画sime
KADOKAWA / 2020年
文学・評論