
三世代の女性たちが連れだって事件に挑むシリーズの一冊。映画撮影の現場を思わせる謎が、世代の異なる視点から少しずつ重なっていく。深い緑を基調にした表紙には、カメラを向ける少女、椅子でギターを爪弾く人物、コートを羽織る年配の女性が森の中に配置され、左端からはフィルムが帯のように画面を縦に流れ落ちる。手前にはリボンで束ねた橙色の薔薇の花束と、被写体を見つめる大ぶりの映画カメラ。平面的で装飾的なイラストが、舞台と登場人物の関係を一枚の絵に畳み込んでいる。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論