
日々の暮らしの中で長く使い続けたい道具を取り上げる特集号。木の壁面に掛けられた白い壁掛け時計、籐の籃、黒いラジオ、棚に並ぶ硝子瓶やケトルを写した一枚の生活写真が、ほぼ表紙全面を占めている。上部の白い余白に小文字で組まれたロゴと、画面右側の縦組み和文の見出しが、写真の静けさを乱さない控えめな分量で重ねられる。誌名のタイポグラフィの軽さと、被写体の経年した木目や金属のくすみとの対比が、「もの」と向き合う雑誌の姿勢を一枚で示している。

著藤田貴大
装丁名久井直子
装画青葉市子
マガジンハウス / 2017年
文学・評論