
タイトルは何かを「救え」と呼びかけ、表紙はその呼びかけが向けられる風景を静かに示すように構成されている。上半分は澄んだ空色の帯で覆われ、遠景の街並みがシルエットで沈む。下半分の白地には細いペン線で揺れる草むらが広がり、同じ筆致で描かれた二人の人物と小さな動物がそのなかに紛れている。タイトルは空と白地の境界を切り抜くように配され、青の透明感と線画の繊細さが静かに拮抗する。都市の遠さと足下の草の近さが、一冊のなかで隣り合う。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論