
男はBAR。」を特集する号。東京・関西で通えるBAR59軒の案内に、部屋をBARに仕立てる方法、葉巻と時計まで、夜のたしなみを一冊にまとめた実用ガイドである。表紙は手描き風のイラストレーション。深い藍に沈むカウンターの奥でバーテンダーがシェイカーを振り、赤い革張りのスツールとガラス棚が温かな光に浮かぶ。タイトルロゴはやや掠れた白抜きの太い文字で、夜の手書きメニューのような親密さを漂わせる。右下には実写のロックグラスが切り抜きで重ねられ、画面の中に確かな手触りが差し込む。絵と写真の質感差そのものが、扉の向こうにある一杯への助走になっている。
装丁宮古美智代
スイッチ・パブリッシング / 2021年