
魔女狩りの時代を思わせるラボを舞台に、異端を巡る事件を追う連作の第一巻。表紙は三人の青年を縦に重ねた構図で、グレーを基調にしながら手前の人物が纏う緑のストライプベスト、橙のスカーフ、白手袋がアクセントとして効いている。タイトル「異端審問ラボ」は太い明朝で大きく置かれ、赤い縁取りと黒の塗りが審問という言葉の重さを引き受ける。英字 "Inquisition Laboratory" の細い欧文が背後に薄く流れ、画面に緊張と静けさを同居させている。人物の硬質な視線と意匠化された文字組が、知的な謎解きの気配を静かに告げている。

著久坂部羊
装丁albireo
装画Hermippe
講談社 / 2021年
文学・評論