
現役医師の作家が「人間の尊厳」を問い続けてきた、その集大成と謳われる長篇。3人の自殺志願者を殺めた男の不可解な動機から、自殺率の高い国の暗部を照らし出す問題作である。表紙は淡いグレージュの地に、淡青と桜色で描かれた人物像が中央に立つ。顔の位置には大きな円光と幾何学的な三角形が重ねられ、像の輪郭は粒状のテクスチャでわずかに溶けている。タイトル「R.I.P.」は黒の明朝で大きく組まれ、聖性と喪失の図像に重さを与えている。

著本格ミステリ作家クラブ
装丁岡本歌織
装画西山寛紀
講談社 / 2019年
文学・評論