
海辺の町を舞台に、ひと夏の出会いと別れを描く児童文学。少年と少女の心の揺らぎ、そして人魚という不思議な存在を介して、子どもがひと回り成長していく季節の物語が綴られる。表紙は澄んだターコイズブルーを地に、白い飛沫を上げる波と、鍵のような尾びれを掴む二人を中央に配したシンメトリーな構図。タツノオトシゴや貝、楽譜らしき紙片が水しぶきと共に舞い、黄色の手描き題字が夏の光をともす。静かな水面の奥にひそむ秘密の手触りを、画面全体が穏やかに伝えている。
著クリハラタカシ
装丁わたなべひろこ
小学館 / 2018年
絵本・児童書