
山に迷い込んだ二人の紳士が、奇妙な料理店「山猫軒」で次々と妙な注文を受けるうち、自分たちこそが料理される側だと気づく宮沢賢治の名作を、漫画家による絵で新たに編んだ児童向けの一冊。表紙は黒地にショッキングピンク・シアン・イエロー・グリーンの蛍光調四色を重ねた版画的なタッチで、扉の奥から覗く巨大な山猫の黄色い眼、二匹の小さな猫、銃を構えて走る二人の紳士を画面いっぱいに配置する。手描き文字のタイトルと斜めに走る色面が、原作の不穏さをポップな緊張感へと翻訳している。

装丁岡本歌織
装画原倫子
マガジンハウス / 2024年
文学・評論