
内閣情報調査室の非公然部門「CIRO-S」を舞台に、国家の暗部で動く特務捜査官たちを描くサスペンス。表紙は、鎖に巻かれてうつむく黒衣の人物を中央に配し、背後を黄金色の渦と、立入禁止を思わせる黒と黄のテープで分断する。手元のスマートフォンに浮かぶタロット「吊るされた男」、足元の編み上げブーツ、英文サブタイトル「The Hanged Man falls into ruin.」が、停滞と転落の予感を細部で補強する。光と拘束、秩序と逸脱を同じ画面に同居させ、本作が踏み込む灰色の領域を一枚で示している。
著篠原悠希
装丁坂詰佳苗
装画丹地陽子
KADOKAWA / 2018年
文学・評論