
妖怪文化を縦横に論じた著者の評論・対談を二冊分まとめた合本。能や説話、絵巻に描かれてきた異形たちを、現代の視点から読み直していく。表紙は紫と青、紅を滲ませた水彩画調の絵で、白い面をつけた者、紅の着物をまとった姿、日の丸の扇らしき形が画面を斜めに横切る。中央には漆黒の円窓が穿たれ、白い筆文字でタイトルと著者名、朱の印が静かに据えられる。妖しくうごめく色彩を黒い満月が鎮め、宴のざわめきと匣の闇とを一枚に閉じ込めた装丁である。

著綾崎隼
装丁鈴木成一デザイン室
装画青依青
KADOKAWA / 2018年
文学・評論