
第60回文藝賞優秀作。「この世界は破壊すべきである、○か×か?」と問いを突きつけ、解答者として走り続ける者たちを描く挑発的な長編小説。表紙では、深い青を背景に、宙を駆ける人物と白い犬の顔、散らばる自動車や建物、市松模様の旗がコラージュのように配置され、視点が反転した世界が立ち上がる。タイトル文字は画面の余白に切り分けて据えられ、白い雲のような曲線が空間を貫く。上部に差した薄緑の帯が冷えた青を受け止め、揺らぐ重力と問いの強度に呼応している。

著堂場瞬一
装丁鈴木成一デザイン室
装画西川真以子
河出書房新社 / 2016年
文学・評論