
ナイジェリアと米国を行き来する人々の境界の揺らぎを描いた短篇集。アフリカ系女性が直面する人種、ジェンダー、移民としての孤独が、静かな筆致で綴られる。表紙は横顔の女性像を大きく据え、頭に巻いた朱色のターバンと緑のドット模様のドレスが、淡いベージュのペイズリー地から鮮やかに浮かび上がる。輪郭線を持たない切り絵のような構図と、大ぶりのフープピアスがまとう装飾性。文字組は縦と横を交差させ、日英の二つのタイトルが静かに同居する。異郷に立つ女性の輪郭を、布の記憶ごと刻みつけたような一冊。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論