
人ならぬ者たちが暮らす山内を舞台にした和風ファンタジー〈八咫烏シリーズ〉の第二作。前作から続く宗家の世継ぎを巡る物語が、森と社の静けさのなかで再び動き出す。表紙は深い緑の樹林を背景に、弓を引く青衣の人物、金の冠を戴く朱色の装束の少年、薄紅の衣をまとう人物の三人を水彩の筆致で描き、左に房なりの藤、右奥に屋根の反った社殿が覗く。タイトルは緑に映える黒の太い和文書体で据えられ、烏の伝承を宿す世界の気配がひと画面に凝縮されている。
著桜庭一樹
装丁関口信介
装画マツオヒロミ
文藝春秋 / 2017年
文学・評論