
戦後日本のグラフィックを牽引してきた表現者の半世紀以上にわたる仕事を一冊にまとめた大判作品集。黒地のカバー中央に楕円形の窓が抜かれ、そこに繊細なペン線と淡い水彩で描かれた少女たちが浮かび上がる。背景の闇には金色で流麗に綴られた「Chronicle」の筆記体、周縁にはモノクロームの線描が亡霊のように散りばめられ、年代を越えて重なる作品群そのものを画面化している。光と陰、艶やかさと密やかさが同居する装丁が、ひとりの作家が積み上げてきた時間の厚みを静かに示している。
著三宅瑠人
装丁岡崎由佳
グラフィック社 / 2021年