
チャイコフスキーのバレエ作品「白鳥の湖」を、繊細なレース切り絵で物語る一冊。羽毛や葉の連なり、横顔の白鳥が一体となった構図を、芥子色の地に黒の切り抜きで浮かび上がらせている。葉脈や鱗のような細密な抜きが画面いっぱいに広がり、紙の薄さと影の落ち方までデザインに取り込んだ装丁。中央に流れる筆記体の "Le lac des cygnes" が、湖面に映る音楽のように線を結ぶ。切り絵という静かな技法で、舞踏のうねりと白鳥の優美さを一枚に閉じ込めた表紙となっている。

著ヒグチユウコ
装丁名久井直子
グラフィック社 / 2019年
アート・建築・デザイン