
祇園の和菓子屋に居候することになった少女が、拝み屋を営む一家とともに人々の悩みごとに向き合っていく連作短編。京都の四季と人情をやわらかな筆致で描き出すライト文芸シリーズの第一作にあたる。カバーは透明感のある水彩タッチで、白衣の和菓子職人、着物姿の青年、エプロン姿の少女、灰色の猫を画面いっぱいに配し、上部からは色とりどりの吊るし飾りが垂れる。タイトルは縦組みの墨文字を朱色の渦巻きで囲み、舞う蝶を添えて和の華やぎを添える。柔らかな色面と細やかな描き込みが、この物語が抱える日常の温度をそのまま手渡してくる装いだ。
著早狩武志
装丁アフターグロウ
装画sime
KADOKAWA / 2016年
文学・評論