
フランスの若手医師が研修先の救急病院で過ごした7日間を綴ったノンフィクション。生と死が交差する現場の悲喜こもごもを、人間味あふれる筆致で記録した一冊。白い余白を基調にした表紙の中央に、白衣に聴診器をかけた研修医の水彩スケッチが穏やかに立つ。背後には淡い水色で組まれた原題のタイポグラフィが透け、その上から大きな黒い明朝で和題が重ねられている。三層が静かに重なり合う構図は、現場の慌ただしさを抑えた装いの内に、人を見つめるまなざしの温度をそっと差し出している。

著小川一水
装丁内川たくや
装画あきま
早川書房 / 2019年
文学・評論