
物理学者たちが金融市場の予測にどう挑んできたかを辿るノンフィクション。リーマンショックの予見など、複雑系としての経済を扱う科学者たちの軌跡を追う。表紙は白地に大ぶりの黒ゴシックでタイトルを据え、中央には100ドル札を模した手描きのイラストを配する。紙幣中央の肖像はアインシュタインを思わせる戯画で、緑のインク色と緩い線が紙幣本来の威厳を脱臼させる。下部には推薦文と縦組みの推薦者名が落ち着いた帯としてまとまり、活字の硬さと挿画のとぼけた手触りが、市場という不確かな対象に物理で挑むという主題の二面性を静かに映し出す。
著Hosseini、Khaled、佐々田、雅子
装丁ハヤカワ
装画高山裕子
早川書房 / 2014年
文学・評論