
異形」との遭遇を見聞録の形式で綴る、奇々怪々な短編集。各地に伝わる怪異の輪郭を、淡々と差し出してくる一冊。表紙は漆黒の地に朱の題字を四方へ大きく配し、画面そのものを結界のように囲い込む構成。中央には多面多臂の異形が鎮座し、笠を被った人々が縄で繋がれて参列する図が緻密に描き込まれる。画面端に走るピクセル状のノイズが現実と異界の境界を曖昧にし、赤帯に刻まれた「44444444人目の訪問者」の文字列が、続いてきた読み手の長い列を静かに思わせる。
著小川雅子 めばち
装丁野条友史+荒川正光
ポプラ社 / 2020年
絵本・児童書