
京都・大山崎に現存する木造モダニズム建築「聴竹居」の発見から重要文化財指定に至るまでの22年を辿る一冊。表紙は新緑を思わせる鮮やかな黄緑を地に敷き、点描のような細やかなタッチで描かれた樹々の中に、線描による平屋の建物がひっそりと浮かび上がる。建物は黄味を帯びた淡色で塗られ、輪郭線の繊細さが図面と絵本の中間のような佇まいを生む。タイトルは縦組みの明朝で右上に静かに収まり、白い帯が下半分を引き締める。緑に包まれて在り続けた建築の記憶を、そのまま紙の上に写し取ったような装丁である。
装丁矢萩多聞
平凡社 / 2015年
アート・建築・デザイン