
写真と出来事の関係をめぐる対話。二〇〇三年に陸前高田で撮られた一枚のスナップが東日本大震災を経てまったく別の意味を帯びる——その変容を起点に、写真家と作家が交わした言葉が収められている。淡いクリーム色の地に深い藍で大きく置かれた書名は、その続きが帯へと流れていく構造になっている。帯には夕暮れの港に佇む人物のスナップが小さく配され、見出しと一枚の写真がひとつの問いとして立ち上がる。時間が出来事を意味づけ直す、その揺らぎを装丁そのものが体現している。
著小池一子
装丁有山達也 岩渕恵子 中本ちはる
平凡社 / 2020年
アート・建築・デザイン