
擬人化された二匹の猫を中心に、魚や蛇、鳥の骨格標本、食虫植物、果実や花々が密度高く描き込まれた塗り絵本。読者が色を差し込むことで完成する余白を持ちながら、線描そのものが博物図譜のような世界観を立ち上げる。黒地に白の細密ペン画が浮かび、上部には荊棘めいた装飾文字で大きく「MUSEUM」。一部だけ青や赤、緑が彩色された猫の衣装やリボンが、未着色の精緻な線とコントラストを成す。塗ることそのものが標本箱を覗き込む行為になる、入口として機能する一冊。
著ヒグチユウコ
装丁木村真喜子
グラフィック社 / 2013年
アート・建築・デザイン