
目覚めと夢のあわいを漂うような感覚を、断片的な思索や日々のことばで掬い取ろうとした一冊。覚醒と夢想が重なる薄い膜のような領域に、書き手の声を静かに置いていく。表紙は、淡い桃色をわずかに含んだ白い花弁を大写しにし、輪郭は光の中に溶けかけている。明朝体の縦組みタイトルは細く凛と立ち上がり、その脇に小さく添えられた仏語表記が余白の白さを引き締める。花の柔らかな質感と文字の硬質さが、まどろみと覚醒の二重像をそのまま装丁に映している。
著柏葉幸子
装丁須田杏菜
装画わみず
KADOKAWA / 2021年
絵本・児童書