
雨上がりの踏切で出会った二人の少年少女を軸に、思春期の揺らぎと再生をすくいとる青春小説。カバーは水色を基調に、線路と踏切、信号機、家並みを細密な線画で描き、ところどころに朱赤の差し色を効かせて湿った空気と光のにじみを表現している。タイトルは手書き風の筆致で、薄いグレーの不定形な楕円に白く抜かれ、青い街並みに静かに浮かび上がる。下半分に巻かれた帯はカバーと同じ青で、本体の絵柄とひと続きの風景になるように設計されている。雨上がりの空気と、そこに立つ二人の輪郭が、物語の温度をそのまま映し出している。
著麻沢奏
装丁西村弘美
装画長乃
スターツ出版 / 2016年
文学・評論