
蒼空を駆ける幽霊機をめぐる物語。空戦の高揚と、その翼が運ぶものへの問いが、軍服姿の二人の人物像に重ねられる。カバーは明るい水色の帯に黒い本体を組み合わせ、上部は余白を大きくとってタイトルと英文リードを静かに置く。下半分には制服の登場人物と戦闘機、紋章めいた装飾を青のグラデーションで描き、白抜きの欧文ロゴと縦組みの惹句を交差させた。澄んだ空色と硬質な黒の対比が、栄光と幽霊という二面性をそのまま装丁の構造に翻訳している。

著朱野帰子
装丁佐藤亜沙美
装画土屋まどか
KADOKAWA / 2019年
文学・評論