
2008年の金融危機に直面した三人の中央銀行総裁を追ったノンフィクション。原題『The Alchemists』が示すように、貨幣をめぐる現代の錬金術師たちの判断と葛藤を描き出す。漆黒の地に、青みがかった線画で三人のポートレートが縦に並ぶ。スーツの陰影は細かなハッチングで刻まれ、報道写真を版画に置き換えたような硬質な質感が立ち上がる。明朝体の大ぶりなタイトルが画面右に堂々と据えられ、人物の沈黙と書体の重みが、危機下で下された決断の手触りを静かに伝える。

著Z李
装丁小口翔平
カバー写真グレート+ザ+歌舞伎町
扶桑社 / 2023年
文学・評論