
法廷を舞台に、時空を超えた告発と父をめぐる謎が交差するミステリ。装画は、白いシャツを纏った青年が腕に大きな黒い鳥を留まらせ、こちらを見つめる横顔を捉えた緻密な写実画で、緑がかった陰影と差し込む光が湿度のある静けさを生む。中央には「幻告」の二文字が黒くかすれた筆致で大きく重ねられ、絵の中の人物を断ち切るように走る。下部の赤い帯には白と黒の太い見出しが踊り、静謐な装画との温度差が、抑えきれない告発の熱を予感させる。

著Z李
装丁小口翔平
カバー写真グレート+ザ+歌舞伎町
扶桑社 / 2023年
文学・評論