
孤高の天才が抱えた歪んだ欲望と不安、そして迫りくる人生の破局を描く韓国文学短篇集。日本語版と韓国語版を一冊で読める「韓国文学ショートショート」シリーズの一冊で、原文と訳文を行き来しながら味わえる構成になっている。カバーは淡いサーモンピンクの地に細い黒の明朝で縦組みされたタイトルが大きく置かれ、左上には開かれた本を指し示す手のアイコンが線画で添えられる。帯文も同じ黒の明朝で短冊状に流れ、装飾を削いだ余白が静けさを生む。柔らかな色面と硬質な書体の対比が、ひらかれていく夜の予感を穏やかに引き寄せている。

著佐野洋子、崔禎鎬
装丁名久井直子
装画佐野洋子
クオン / 2017年
文学・評論