
村上春樹の小説に登場する楽曲を、5人の論者が100曲選び抜いて読み解いた評論集。ジャズやロック、クラシックまで横断し、作品世界と音楽の関係を解きほぐす一冊。表紙はレコード店の店主然とした人物が一枚のLPを手に取る場面を、明るい黄味のクリーム地に載せたイラストレーション。背後の棚に並ぶ無数のジャケットや「HARUKI MURAKAMI」のサイン、足元をうろつく猫まで描き込まれ、輪郭線と平塗りの色面で構成された画面は軽やかでありながら情報量が多い。音楽を聴く行為と本を読む行為が地続きにある、その手触りを表紙が先に手渡してくる。
著東山彰良
装丁藤田瞳
装画渡邊涼太
書肆侃侃房 / 2023年
文学・評論