
江戸時代の修行僧であり彫刻家でもあった円空。生涯に12000体もの仏像を彫り続けた稀代の人物の足跡を、漫画家がペンと旅でたどっていく一冊。表紙は鉛筆のラフなタッチで描かれた円空仏のスケッチが中央を占め、タイトルと著者名も同じ手で書かれた肉筆。白い余白を大きくとった構成が紙の質感を際立たせ、帯にはもう一体の柔らかな笑みの仏像が小さく添えられる。線の震えと余白の静けさが、対象に向き合う旅そのものの呼吸を写し取っている。

著一志治夫
装丁吉田昌平
装画ヒラノトシユキ
小学館 / 2016年
ビジネス・経済