
震災以後の日本美術を、地質的・歴史的な時間軸から問い直す美術評論。地震列島という土地の上に成立する芸術の条件を、批評家の視座で長く深く掘り下げた一冊。表紙には古地図のような褪せた山河の図像が刷り込まれ、その金茶に陰る大地の上に「震美術論」の四文字が静かに据えられる。下半分を覆う鮮やかな青の帯と白抜きの「新たな美術史」の文字が、土の層と現在を分かつ地平線のように働く。地殻と言葉、過去と現在を一枚に畳み込む装丁が、本書の射程そのものを示している。
著岸本章
装丁吉岡秀典+佐藤翔子+平良佳南子
彰国社 / 2024年
アート・建築・デザイン