
児童文学の創作を軸にした季刊誌の第59号、特集は「なぞ」。新沢としひこ、ケロポンズ、如月かずさ、二宮由紀子ら作家陣による短篇や対談が並ぶ秋の一冊である。表紙は淡いグレーの空間に市松の床を敷き、空中を漂う黒い鯰、緑の眼をした灰色の猫、舞台脇に垂れるピンクの幕という不思議な取り合わせを水彩で描く。誌名は白の明朝で右上に小さく置かれ、特集名の「なぞ」は手描きの太い平仮名で画面中央に泳がせて、文字と絵の境界をやわらかく溶かしている。説明されない場面を一枚に収め、号のテーマを絵そのものに語らせる構成になっている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書