
学校に馴染めない「うま」が、自分のままでいられる場所を探していく物語。男の子でも女の子でもない、ただの自分でありたいという願いを、児童文学のやわらかな言葉で描き出す一冊である。表紙は深い藍色の地に、ピンクの山、水色の獣、緑の植物、黄色い魚といった手描きの絵が浮かぶ。タイトルは白く抜かれた手書き文字で、絵の隙間に置かれ、夜の中にぽつぽつと光る星のような佇まいになっている。物語の静けさと、内側にひそむ色彩のゆたかさが、装画と文字の関係そのものに重ねられている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書