
近未来都市の深淵へ落下する男を描いた、SFバンド・デシネの金字塔。哲学的寓話とサイバーパンク的世界像が交錯し、コミックの表現領域を押し広げた一作として知られる。表紙は線画のみで描き込まれた巨大都市の俯瞰に、黄土色で塗り分けられた人物だけが浮かび上がる。中央には紫の極太サンセリフで大書されたタイトルが置かれ、下部の小さな黄色い帯に和文情報が控えめに収まる。墨線の密度と単色のフラットな塗り、欧文タイポグラフィの強さが、めくるめく物語の入口を端的に告げている。
著波木銅
装丁森敬太
装画高木真希人
太田出版 / 2024年
文学・評論