一覧に戻る文学・評論怒りの葡萄(下)大恐慌期、土地を追われたオクラホマの一家がカリフォルニアを目指して西へ向かう物語の後篇。怒りと祈り、共同体の崩壊と再生が、痛切な筆致で描き切られる。生成りの地に、版画風の掠れを伴った灰色の葡萄の房が大きく刷られ、その一角に黄土色の鉛筆のような細い斜線が一本だけ走る。沈鬱な群れの中に差し込む小さな光跡が、絶望のただなかに残された人間の意志をそっと示しているようだ。About出版社スタインベック出版年2015年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁新潮社装幀室装画柳智之