
紙の手触りや活字、印刷といった「紙ものづくり」の現場を、ブックデザイナーが自ら訪ね歩いた取材記。職人の手仕事を通して、本という物体がどう生まれるのかを丹念に追いかける一冊。表紙は活版工房と思しき棚に並ぶ無数の活字を捉えたカラー写真を上半分に大きく配し、下半分は素朴な紙質を感じさせるオリーブ色の腰巻きで受け止める構成。タイトルは縦組みの明朝で控えめに添えられ、英文の取材メモ書きが手紙のように脇に流れる。題材である「紙そのもの」を、装幀の素材感でも静かに語っている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論