
退役した元警察犬シャルロットの目線を通じて、人と犬のあいだに流れる感情の機微を描く連作短編集。表紙は明るい山吹色を全面に敷き、白で抜かれた線画の人物と犬たちが余白の中で散歩したり、しゃがんでじゃれ合ったり、寝そべったりしている。タイトルは太く重みのある明朝で大きく置かれ、英文の筆記体や著者名がささやかに添えられて軽やかなリズムを生む。柔らかな黄色とモノクロームの線が、犬と暮らす日常の静かな温度をそのまま閉じ込めている。

著松宮宏
装丁大岡喜直
装画白根ゆたんぽ
講談社 / 2016年
文学・評論