
深紅を背景に、尖った耳の少女が古びた洋書を抱え、その頭上に小さな魔物たちと竜のような巨体がひしめく一巻。少女と魔界の住人をめぐる物語が、絵本めいた愛らしさと不穏さの同居で描かれていく予感が漂う。背景の赤は朱に近い濃度で、装画の細密な描き込みと白抜きで縁取られた欧文ロゴ、頁を模した装飾罫が古典絵本のような重みを与える。下部に大きく置かれた黒の題字は太く土着的で、洋的なイラストとの落差が物語の異種混淆を示唆する。表紙そのものが、開かれかけの一冊として読み手を招き入れている。
KADOKAWA / 2014年