
地方都市の閉塞と少年少女の絶望をすくいとる、スーサイド・ラブストーリー第6巻。背景のグレーに大きく描かれた少年の横顔を、中央に重ねた白い枠線が切り取り、その内側だけが「表紙」として独立して立ち上がる二重構造の装丁。頬から零れるように咲く色彩の花が、抑えた基調のなかで唯一の体温として置かれている。枠の外にはみ出した少年の眼差しと、囲いの内に整えられたタイトルとの距離が、登場人物たちが抱える境界の揺らぎをそのまま物語っているかのようだ。
著WelagenRobbert、國森由美子
装丁鈴木久美
装画agoera
集英社 / 2022年
文学・評論