
学校の給食をめぐる小さな出来事のなかで揺れる中学生たちを描いた、連作短編集。表紙には、ボブヘアの少女が口元に淡いピンクのスプーンをあてて、まっすぐこちらを見つめる姿が大きく据えられている。淡い水色の線だけで髪も制服も陰影も描き上げ、白い余白のなかに浮かぶような構成。タイトルと著者名は細い明朝で縦に配し、絵の静けさを乱さない。柔らかな色面に差し色のピンクが灯ることで、思春期のささやかな揺らぎと、ひとさじの記憶の温度が表紙そのものに重ねられている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書