
夜の街角、深夜まで灯りをともす小さなビストロを舞台にした人間ドラマ。深い夜の食卓に集う人々の心の機微を描く一冊。深いブルーのレンガ壁を背景に、ステンドグラスの窓越しに浮かび上がる丸テーブルの暖色がやわらかく目を引く。皿の上の料理とワイングラス、手前に茂る観葉植物の葉が、店内の親密な空気と通りすがりの視線を同時に呼び込む。タイトルは白い明朝で静かに置かれ、英字ロゴが余韻を添える。夜の静けさと食卓のぬくもりが、画面のなかで穏やかに同居している。

著篠原悠希
装丁坂詰佳苗
装画丹地陽子
KADOKAWA / 2019年
文学・評論