
Another」の続編にあたる、2001年を舞台にしたホラーミステリーの上巻。深い藍を基調にした画面の右側に、左右で色の異なる瞳の少女がこちらを見つめ、流れる黒髪と前にかざされた指先が顔の半分を覆い隠す。タイトルはほっそりとした白の欧文セリフで組まれ、上に小さくカタカナのルビ「アナザー」が静かに添えられる。視線と隠蔽、光と影が同居する一枚は、見てはいけないものを見てしまったかのような物語の予感を装丁そのものに宿している。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論