
金融部を舞台にした推理ものという副題が示すように、組織の中で繰り広げられる頭脳戦を題材にした一冊。アニメ調で描かれた制服姿の人物が書架の前の椅子に腰掛け、その周囲には舞い散る書類や壱万円札があしらわれている。ピクセル風にドット処理された赤いタイトルロゴが、ゲームのインターフェイスを思わせる無機質さを画面に持ち込み、手描きの柔らかな人物描写と対照をなす。デジタルな駆け引きと物語性が、装画と書体の組み合わせで一枚に視覚化されている。
著中町信
装丁鈴木大輔
装画田中寛崇
徳間書店 / 2022年
文学・評論