
児童文学の季刊誌、2022年春号の特集は「雨のふる日」。雨の街を歩く子どもたちの姿を、執筆陣がそれぞれの筆致で描き出す。表紙には、水玉模様の傘と黄色い長靴を身につけた子どもが横断歩道を渡る場面が、グレーがかった青緑の空気のなかに置かれている。傘と長靴、そしてタイトルの黄色だけが灰色の街並みから浮かび上がり、雨の日にしか感じられない静けさと小さな高揚を一枚の絵に閉じ込めている。特集の主題と表紙が、同じ温度でしずかに響き合う一冊。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書