
AI裁判官が導入された日本を舞台に、機島雄弁という弁護士が法廷で人工知能と渡り合う電脳法廷ミステリ。タイトル文字は黒・赤・白で分割され、グリッチのように位置がずれて重ねられ、デジタル空間の不安定さを示唆する。中央にはスーツ姿の男が玉座のような場所に座し、背後の赤い三角形と幾何学パターンが祭壇めいた構図をつくる。白い帯には極太の明朝で「この国の正義を覆せ。」と大書され、表紙の混沌としたコラージュと正対する。コードと法廷が交錯する世界観を、視覚の断片化そのもので表した装丁。

著尾崎将也
装丁野条友史
河出書房新社 / 2024年
文学・評論