
花火と幽霊をめぐる青春群像を描いた小説。原案となったアニメーション映画を小説化した一冊で、生と死の境にいる少女と、彼女に出会った少年少女たちの夏のひとときが綴られる。カバーは夕暮れの光に包まれた二人の人物を仰角でとらえた装画が中央を占め、空のグラデーションが画面全体ににじむ。タイトルは手描き調の明朝で柔らかく置かれ、筆記体の英字が添えられる。淡い光と影の余韻が、ひと夏のまぼろしのような物語の手触りをそのまま誌面に移している。

著げみ
装丁有馬トモユキ
リットーミュージック / 2020年
アート・建築・デザイン