
夜の教室で出会った少年と少女の、誰にも言えない秘密を抱えた対話を描く青春小説。夜になると「ばけもの」になってしまう主人公が、いじめられている同級生と机を挟んで向き合う場面が静かに動き出す。表紙は青を基調にした繊細なイラストレーションで、月光の差し込む窓辺、制服姿の二人、磨かれた机に映り込む反射までを透明感のあるグラデーションで描き出す。手書き感のある明朝体のタイトルが画面上部に大きく置かれ、夜の静けさと余白を際立たせる。光と影の境界をなぞるような装丁が、物語に流れる秘密と打ち明けの緊張をそのまま受け止めている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論